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直観と美I
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グラフ理論 Graph Theory
■ 2013-02-16
■ あのとき、・・・
■ この図は、こんな風にも描けますね、と、私は紙に書いて見せた。
■ 教授は机に戻り、少し検討した。
■ そして、・・・
そうだな
■ と、そういうことだった。
■ こんな感じだったが、・・・
■ 教授は、私が渡した紙切れを、この後、どうしたのだろうか、・・・
■ あるいは、しばらく引き出しの中にいれていたかもしれない。
■ たとえ、その時は直観で描かれたものだとしても、・・・
■ 学者であれば、当然ながら、「理」、を無視できない。
■ それが学者のあるべき姿だから、・・・
■ 「理」に「美」は潜んでいて、・・・
■ 誰が描いたものであれ、そのように描かれるべきものだったからだ。
■ もちろん、その図を頭に入れてしまえば、紙自体は捨ててもいい。
■ 卒業以来、教授には会ったこともないし、・・・
■ あの場にいたのは、教授と私だけだったので、その時の状況を知る人はいない。
■ また、その後どうなったかを知る人もいないだろう。
■ その当時は、何も考えたことはなかった。
■ ただ、そういうことがあったということを思い出したので、・・・
■ 推理小説を読む、というか、推理小説を書く立場で、回想してみただけだ。
■ 具体的な言葉がどうだったかは忘れたが、・・・
■ 本質的なことは普遍なので、今こうして確実に回想することができたのだ。
■ まあ、小説として人が読むには、あまり面白くもないかもしれない。
■ いつだったか、・・・
文科系で、学校の先生をしていたのかと思っていた。
■ ・・・と言われた。
■ それが、きっかけだった。
■ 雨で、何をして遊ぼうか、と考えるでもなく、思っていたとき、・・・
■ ふと、記憶の端に残ってのを思い出したのだ。
■ 先生にはならなかっただろうけれど、・・・
■ あるいは、別の道の方が似合っていたかもしれない。
■ そうすれば、また、違った人生を歩んでいたかもしれない。
ゆくかわの ながれはたえず しゅんじゅうの うつろうときの さみしかりけり 遊水
■ ・・・