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「黒雉」はいたのか
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■ 2013-03-19
■ 当時、日本に「黒雉」はいたのか、ということだが、・・・
■ もちろん、いた。
■ まあ、結果的には、そういうことだが、ちょっと、これに関して書いておこう。
■ 三国志・魏志、巻三〇 東夷伝・倭人には、↑、この写真のように、「黒雉」がいるという記述がある。
■ キジの写真は何度も撮っているので、キジは、一応、知っているつもりだった。
■ ・・・で、最初、「黒雉」とはどんなキジかなと思った。
■ 野鳥撮影を趣味?、としているので、当然、興味や疑問をもったということだ。
■ ごく単純に考えて、・・・
■ 黒雉というからには、黒くない雉もいるということだろう。
■ と、考えると、黒雉というものは、存在した、と考えるのが、自然だろう。
■ それが「ことば」というものだ。
■ 雉という「ことば」は、雉でないものがいるから、雉、というのであり、・・・
■ また、黒雉という言葉は、黒くない雉もいるから、区別するために使われる。
■ まあ、「ことば」というものの基本のひとつだ。
■ 色で、即ち、視覚的表現をしているということは、この記述の元となった言葉を用いた人が実際に見たか、・・・
■ 要するに、魏の国の使者、というか、帯方から来た人が実物を見たか、・・・
■ 逆に、邪馬台国の人で、黒くないキジを知っている人がいたか、そのどちらかだろう。
■ 「キジ」という共通の認識が成り立つモノがあった。
■ 黒雉という言葉は、雉という基本的なモノがあり、それとは異なる、別の種であることを表している。
■ だから、おそらく、黒雉という表現を使った人が実際に見たのであろう。
■ どの程度の滞在期間か知らないが、・・・
■ そこらじゅうに普通に見られる状態だったのかもしれない。
■ そうでなくとも、・・・
■ まあ、何度か来ているし、一人だけではなかっただろうし、・・・
■ あるいは、また、歴史的に見て、かなり以前から交流があったと考えられるので、・・・
■ このような記述があってもおかしくないし、このような記述があるから、・・・
■ この、いわゆる魏志倭人伝もある程度は信用できると考えてよい。
■ さて、・・・
■ 黒雉とはどんな雉だったのか、という話だ。
■ もちろん、黒雉は、日本の国鳥である雉のことで、日本人から見れば、これがキジで、・・・
■ 他国から見れば、例えば英語では、・・・
■ ・・・この頁にも書いたように、・・・
Japanese Pheasant
Green Pheasant
■ などという。
■ ・・・、こんな写真を撮ったことがあるが、これを見ての印象は、green より、黒と表現した方が当たっているのかな、とも思う。
■ 魏志倭人伝の「黒雉」という表現もおかしくはない。
■ 光の加減で黒くも見え、緑にも見える。
■ 黒くない、コウライキジが、ユーラシア大陸に広く生息し、それが彼らの、普通の雉ということだ。
■ そして、彼らは、自分たちが知っている普通の雉、即ち、日本から見れば、コウライキジ、・・・
Common Pheasant
■ ・・・、を基準に日本の雉を表現したというにすぎない。
■ コウライキジというのは、日本からみれば、「コウライ」であっても、・・・
■ 逆に、そっちの方から見れば「コウライ」などと余計なことを言わなくてもいいということだ。
■ モノとしては同じであっても、見る立場によって、認識が異なる。
■ 例えば、ホシムクドリは欧米では沢山いすぎて嫌われているのに、大阪では珍しいなどと騒ぎたてるようなものだ。
■ ついでに思い出したが、・・・
■ 誰だったか、ヨーロッパ旅行した人が、向こうに黒いカラスはいなかった、ということを言っていたが、・・・
■ 例えば、ハシボソガラスは、広く分布している。
■ いなかった、というより、見なかった、ということだろう。
■ ハシブトラスの分布をみれば、ハシボソガラスよりかなり狭そうだ。