+
+
+
+
+
+
もうひとつは、これにしようかな
+
ことのはの ひとつひとつに こめられし うたのこころを しるぞたのしき 遊水
2013-09-15 筆ペン
■ 2013-08-13
■ まつのき小唄、作詞・藤田まさと
松の木ばかりが まつじゃない
時計を見ながら ただひとり
今か今かと 気をもんで
あなた待つのも まつのうち■ 当時、この歌は嫌いだった。
■ 今も、そう好きではないけれど、・・・
■ ちょっと、思い出してしまった。
・・・、これも嫌いだった。おもいだしてしまった。
・・・、奥村チヨが歌っているが、歌っているだけで、もちろん、あなた好みの、が彼女のこころではない。
■ いにしえには、掛詞はひとつの知性だった。
来ぬ人を まつほの浦の夕凪に 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
■ 比較するのもナンではあるが、・・・
■ 「あなた待つのもまつのうち」とマツに終始しているのと違い、・・・
■ というか、まつのき小唄の方は2番、3番とつづくからそれでいいのかもしれないが、・・・■ 定家の方は、「まつ」から「こがれつつ」にもっていったことろがうまい。
■ どちらも男が女の心をうたっている。
■ 作り上げた歌ということができる。
■ 作者のこころ、ではなく、歌のこころ、という感じか。
■ さて、・・・
■ もうひとつは、これにしようかな、と言う。
ことのはの ひとつひとつに こめられし うたのこころを しるぞたのしき 遊水
■ ふうん、まあ、それでもいいんじゃないか、・・・
■ 実は、この歌、最初は、・・・
うたのこころ
■ ではなく、・・・
ひとのこころ
■ だった。
■ この、「ひとのこころ」、のところが何か嫌なんだけど、・・・
■ まあ、それなら、「うたのこころ」、でもいいよ、と、・・・
■ 昔の昔に作って、指摘されなければ、そのままになっていたけれど、・・・
■ 今回、書、として書いてみようかな、ということで、手直したのだ。
■ もちろん、ひとのこころ、でも悪いわけではないが、・・・
■ うたのこころ、の方がいい。
■ 歌に限らず、絵でも、映画でも、同じことだ。
■ 仮に、ゴッホの絵が好きだとしても、作者のゴッホが好きだとはいえないかもしれない。
■ 作品は、作者から離れ独立するものだから、・・・
■ 必ずしも、ひとのこころ、を知りたいわけではない。
■ もっとも、ある特定の個人のではなく、普遍的な「ひとのこころ」ではあろうけれど、・・・
■ ついでながら、・・・
後鳥羽院口伝、に、西行は「歌よみ」、定家は「歌作り」、と、・・・
■ 西行の歌の場合、分からない、ものも多いが、・・・
■ その心をつかみきれないということか。
鳥羽院御口伝、に、・・・
西行はおもしろくて、しかも、心に殊に深く、あはれなる、
ありがたく、出できがたきかたも、ともに、あひかねて見ゆ。
生得の歌人と覚ゆ。
これによりて、
おぼろげの人、まねびなどすべき歌にあらず。
不可説の上手なり
■ ・・・、ということであろう。しかし、まあ、・・・
なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな 西行
風になびく 富士の煙の 空にきえて 行方も知らぬ 我が思ひかな 西行
■ 西行の思いがどんな思いであろうと、・・・
■ 「行方も知らぬ」、のであれば、しょうがない。
■ 本人が分からないものをどうしようもない。
■ まあ、勝手に、悩めばいいのだ、とするしかない。
■ 悩んで、歌に詠んだからといって、心が晴れるわけでもない。
幾山河 越えさり行かば 寂しさの はてなむ国ぞ 今日も旅ゆく 若山牧水